2009年7月11日 赤煉瓦の旧ビール工場にて
2009年 07月 11日
赤煉瓦のある風景が撮りたくて、半田まで行ってきました。
この堂々たる地上5階建ての赤煉瓦建築は、旧カブトビール工場の建物です。
竣工明治31年(1898年)とのことですから、すでに110年以上が経過していますが、いまだにそのたたずまいには風格があります。
半田は、昔から醸造業がさかんな土地で、今でもその伝統は生きており、多くの名酒を生産しています。
そんな土地柄なので、ビールの製造も早くから手がけられ、明治29年(1896年)には、東京のエビス、横浜のキリン、大阪のアサヒに次いで作られたのが、このカブト・ビールらしいです。
この赤煉瓦工場は、本格的ドイツビールを製造するために、ドイツ・ゲルマニヤ機械製作所による「完全なるビール醸造器械」を買い入れ、ドイツ人醸造技師を招いて建設されました。
おかげでカブトビールは、明治33年のパリ万国博覧会の際には、金牌を受賞するほどの品質を誇り、東海地方では最大のシェアを誇るビール会社に成長したのだそうです。
このビール工場はその後、第二次世界大戦中に中島飛行機製作所の倉庫となり、米軍の艦載機に銃撃を受け、その跡が今でも生々しく残っています。
この赤煉瓦建築は、平成8年に半田市が買取り、平成16年には国の登録有形文化財(建造物)として登録されました。
半田市、同じ愛知県内なのにあまり出かけたことがない街なので、とてもエキゾチックで良かったです。^^
愛知県半田市榎下町にて
Pentax K200D
Tamron SP AF 17-50mm/F2.8