2009年12月22日 オリジナルを超えたコピー
2009年 12月 22日
昨日に引き続き、新たに入れた6x6フォーマットの中判カメラの写真です。
こちらも、ウクライナのアーセナル製で、Kiev 60と言います。
ばけぺん(Asahi Pentax 6x7)同様、中判を135判のスタイルに押し込んだスタイルで、横のスタバのコーヒー・マグ(ショートサイズ)と比べると、そのうすらでかさがお分かりになると思います。
ばけぺんの機能美に溢れた精悍な姿に比べると、いかにもいかつくて不細工なところが、旧ソビエト連邦製たるゆえんであります。
昨日の"Kiev 88C"はスウェーデンの"Hasselblad"のコピーですが、こちらの"Kiev 60"は旧東ドイツのペンタコン人民公社の"Pentacon Six"のコピーです。
母体となったペンタコン・シックス、デザインはいかにもバウハウス直系の素晴らしいものです。
でも、機能的にはコマだぶりが多かったり、視野率が狭くて70%ぐらいしかないなど、あまり使いやすいカメラではないようです。
ただ、ペンタコン・シックス・マウントのレンズには優れたものが多く、Carl Zeiss Jena製のFlektogon 4/50, Biometar 2.8/80, Biometar 2.8/120, Sonnar 2.8/180などは銘玉と言われています。
また、ペンタコン・シックスをモダナイズしたエキザクタ66用のSchneider-Kreuznach 60mm F3.5 Curtagon、Schneider-Kreuznach 80mm F2.8 Xenotar 、Schneider-Kreuznach 150mm F4 Tele-Xenarなども、素晴らしいレンズです。
もちろん、ソビエト連邦にもペンタコン・シックス・マウントの良いレンズはいっぱいあるわけで、ペンタコン・シックスのボディは、色々難がありながらも、それらのレンズを使う母艦として人気がある、というわけです。
そんな迷機をコピーしたKiev 60も、フィルム給装のトラブルは宿命的に背負っています。
ところが、私の手に入れたKiev 60は、コマだぶりはなくて、逆にコマ間が若干広い傾向がありました。
ダブるのに比べれば、はるかにマシなんですが、フィルムを装填するとき、スタートマークの位置合わせが少々微妙みたいです。
試写したとき、スタートマークに合わせたら、一枚目の途中から写っていました。^^;
ということは、スタートマークを3cm~4cmぐらい超えたところまでテイクアップ・スプールに巻きつけてから裏蓋を閉じれば良い、ということのようです。
もしくは、一枚目はキャップをして空シャッターを切り、2枚目から撮影していくという手もありそうです。
しかしながらキエフ60は、ペンタコン・シックスの単なるコピーではなく、実際にはそれを超えた改良モデルなのかもしれません。
ある人に言わせれば、「最高の実用66版カメラ」なんだそうです。試写してみましたが、写りは良かったです。^^v
特に、視野率に関しては、ペンタコン・シックスを大いに凌駕しています。
なにしろ、ここに写っているTTLプリズムファインダーでも90%近くありますし、ウェストレベル・ファインダーに付け替えれば、95%強の視野率となるのです。
このTTLファインダーも若干問題がありました。正しい露出計と比べてみると、2段アンダーな数字を示すのですね。
なので、試写の際にはISO400のフィルムをISO100に設定して撮ってみましたが、とりあえずこの換算で問題ない濃度のネガを得ることができました。
なおこのTTL露出計は、カメラとは連動しません。ここで得た絞値、シャッタースピードをカメラに移してやる必要があります。
これは、昨日ご紹介したKiev 88CのTTLファインダーも同様で、カメラと連動しないんですね。
でもメリットもあって、ハッセルブラードのTTLファインダーと同サイズなんです。将来まかり間違ってハッセルを手に入れるようなことがあったら、Kiev 88CのTTLファインダーはそのまま使えてしまう・・・ようです。^^;
愛知県愛知郡長久手町戸田谷 アピタ内 スターバックス・カフェにて
Pentax K200D
Tamron SP AF 17-50mm/F2.8