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Black Face Sheep's Photolog

黒顔羊のデジタルフォトギャラリー#1です。光蜥蜴(ヒカリトカゲ=光と影)や錆びたもの・滅びゆくものが大好きです。 自分の魂の目に感光したものは何でも撮ります。


by blackfacesheep

2013年10月31日 十月はたそがれの国

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十月はたそがれの国・・・SFファンならすぐ気が付きますね。
そう、アメリカのSF&ファンタジー作家、レイ・ブラッドベリの初期の傑作短編集、”The October Country"の邦訳タイトルなんであります。
高校生の時に、創元SF文庫で宇野利泰さんが翻訳したバージョンを初めて読んだ時の感動はいまだによく覚えています。
SFの抒情詩人と言われるだけあって、たそがれていく晩秋の雰囲気を活かした幻想的でメランコリックな作品集でした。

さて、今日はハロウィン・・・
かつてのブラッドベリの翻訳には、「万聖節の前夜」と言う表現で登場していましたっけ。
ハロウィンって言葉、今でこそ一般的になりましたが、かつてはそれほど認知されてなかったんですよね・・・
でも、「万聖節の前夜」って、ハロウィンより言葉の響きが禍々しく、深い暗さを感じさせる言葉だと思います。
ハロウィンは元来はケルトのお祭りだったそうです・・・なので、アイリッシュなEnyaの"Evening Falls"の寂しげなメロディもよく似合います。

そんな寂寥感の漂う妖しげな雰囲気の写真を撮りたくて、夕暮れ間近なに愛知牧場に出かけてきました。
「写真」とは言っても、現場で撮影したままの「真が写っている」写真であるはずはなく、Lightroomでたっぷり盛ってあります。
オリジナルは下記のリンク先をご覧ください。^^;

愛知県日進市米野木町南山977 愛知牧場にて
Nikon D600
Tamron SP AF 28-75mm/F2.8 (Model A09II)





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愛知牧場名物の五本欅です・・・それなりに美しい夕景ではありますが、自分の心に残った印象とは、ちょっとかけはなれてます。
そのため、LRにの段階フィルターで背景の空をパープルを加えてどアンダーにし、さらに彩度パネルでオレンジとイエローを増量してあります。

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露出を日没に合わせたのでどアンダーとなり、魔法使いのおばあさんのランタンが黒潰れしています。
そのランタンの色を復活させるために、露光量を+5ぐらい上げてやります。
そうすると空が真っ白になってしまうので、段階フィルターで右端からがっつりと落としていきます
まだランタンの色が綺麗に出ないので、+2ぐらいのブラシでちょんちょんとランタンを明るくしていきます。
ランタンにノイズが浮いてきたので、輝度ノイズを低減してやります・・・ふう、これでようやくいっちょあがりなんであります。

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ジャック・オ・ランタンを暗闇の中から浮かび上がらせたいので、その周辺を-2ぐらいのブラシにて焼き込みます。
さらにジャック・オ・ランタンの顔を+0.66ぐらいのブラシで明るくしてやります。
前後の写真とのバランスから、左右逆向きの方が雰囲気が良いので、反転させてやりました。

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アイボクを徘徊する野良にゃんを発見・・・近寄ると逃げるので、じわりじわりと接近し、一番近づいた時の写真がこれです。
トリミングし、背景を焼き込み、猫ちゃんたちだけは覆い焼きして明るくし、色温度をシフトして黄昏の雰囲気をドーピングしました。
リヤカーは消せそうでしたが、手間がかかりそうなので却下。
猫ちゃんが黒猫なら、ハロウィンムードはさらに盛り上がりますが、自然に見えるように加工するのは難易度が高そうなので、これも却下。^^;

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ハロウィンと言えばカラスだよなあ、どっかにいないかなあ・・・と思って探してみたら・・・おお、電信柱の上にいたんであります。
A09IIの望遠端75㎜だと、さすがにカラスが小さいので、少々トリミングしました。
また、空の色が一本調子で退屈なので、段階フィルターでパープルをかけてやり、禍々しい雰囲気に変えてみました。

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牛舎の前の地面が黒潰れしておりますので、全体に露光量をあげていきます・・・雰囲気を壊さないよう、上げ過ぎないように注意しました。
Pentax K-5やNikon D600のダイナミックレンジの高さを感じるのは、こういうシャドウの掘り起し作業の時ですね。
そして段階フィルターで、ピンクからパープルのシャドウを背後にかけていきます。
彩度パネルでオレンジとイエローの彩度を上げてできあがりです。

現場での撮影とポストプロセス、半々と言うよりポストプロセスの方が多いぐらいです・・・シブロクって感じでしょうか。^^;
「写真とは真を写すものであ~る」というドグマに凝り固まった写真原理主義者の方には、蛇蝎のごとく嫌われそうな作業なんであります。
でも、自分の印象に忠実に仕上げようとすると、こういうプロセスになってしまうんですよね。
もちろん、ドキュメンタリーっぽい写真やリアリズムの作品を撮るときには、こういうあざといことはやりませんけどね。^^;
by blackfacesheep | 2013-10-31 06:00 | Seasonal Images