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Black Face Sheep's Photolog

黒顔羊のデジタルフォトギャラリー#1です。光蜥蜴(ヒカリトカゲ=光と影)や錆びたもの・滅びゆくものが大好きです。 自分の魂の目に感光したものは何でも撮ります。


by blackfacesheep

2014年10月25日 ぼける真四角写真の誘惑

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秋めいていく庭に佇む二眼レフ・・・Rolleiflexと言うロゴが刻まれております。
そう、ドイツの光学機器の名門、フランケ&ハイデッケ社の中判6X6カメラですね。
この写真のローライフレックス、どことなく、めばちやかだと思いませんか?・・・レンズがより大口径なのですね。
私は2年前からRolleiflex Automat MXを使っておりますが、実はもう一台、Rolleiflexを手に入れてしまったんであります♪
これはRolleiflex 2.8Cと言うモデルなんであります♪

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この秋は人物写真が楽しくてしょうがなくなり、特に銀塩白黒フィルムで撮るのにはまっております。
使用しているカメラは2台の二眼レフです・・・Rolleiflex Automat MXと、Mamiya C220 Professionalですね。
で・・・Mamiya C220にMamiya Sekor DS 105mm/F3.5を付けて撮ったポートレートのほうが好みなんであります。
ボケが大きくて立体的に写るからですね。^^

Rolleiflex Automat MXのレンズはZeiss-Opton Tessar 75mm/F3.5、「鷹の目テッサー」と呼ばれたシャープで良いレンズです。
スナップや風景を撮るには、とっても良いカメラなんであります。
でも、F3.5と暗いのでぼけにくいんです・・・有効径は75÷3.5=21.4と、Sekor DS 105mm/F3.5の有効径30に比べると小さいですからね。

じゃあ、ポートレートを撮るときにはMamiya C220を持出せば良いじゃないか、と言うことになりますが、あれ、意外に重くて嵩張るんです。
で、目を付けたのが、Rolleiflexの定番、80㎜/F2.8ですね・・・有効径は28.6となり、それなりに大きなボケが期待できます♪

ただ、Rolleiflexの80mm/F2.8レンズ付きはやたらと種類が多いんであります・・・なので、しっかり研究しました。^^
この2.8Cを選んだ理由は、絞羽根が10枚もあって、絞ったときの点光源ボケがキレイだからなんですね。
2.8D以降は絞羽根が5枚となってしまい、ボケがカクカクしてくるんであります。

2.8Cにもレンズは2種類あり、日本で人気があるのは、柔らかな描写のCarl Zeiss Planar 80mm/F2.8ですが、玉数が少なく高価です。
私がチョイスしたのは欧米で人気があり、よりシャープなSchneider-Kreuznach Xenotar 80mm F2.8付のものでした。^^
シュナイダー・クロイツナッハ・クセノター・・・いかにも、「ドイツの科学力は世界一ぃぃぃ」って響きの名前です♪

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購入先は例によって、某オークションサイト・・・一頃に比べると、程度の良いRolleiflexでも、お手頃な値段で買えるようになりました。
フィルムで撮る人がどんどん減っていってるんでしょうかね・・・純正キャップ・ストラップ・ケース・英文の取説付でした。
それなりのお値段ではありましたが、Automat MXを使ってみてRolleiflexの頑丈さはよくわかっています。
酷使に耐える耐久性、信頼感抜群・・・長い目で見れば十分元は取れるんじゃないでしょうか~♪

さてこのRolleiflex 2.8C、K7Cと言うタイプなので、シリアルナンバーから類推すると、1953年ぐらいの生まれのようです。
すでに還暦は越えてるんですが、この2.8Cは程度が良いので、あとン10年ぐらいは現役続行可能な雰囲気でした。

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私の所有する二眼レフを整列させてみました。
一番左のMamiya C220はさすがに大柄ですね・・・レンズ交換式で蛇腹による近接撮影能力に秀でたカメラですからしょうがありません。
故ダイアン・アーバスが愛用したMamiya C33やその後継のC330シリーズだとさらに大きくなりますから、これでもマシなんです。^^;
右端は今まで使っていたRolleiflex Automat MXです。
真ん中が今回手に入れたRolleiflex 2.8C、レンズはさすがに大きいですが、Automat MXとさほど変わらない大きさです。

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Rolleiflexの美点のひとつは、フィルムの装填がオートマット方式なので楽ちんだ、ということにあります。
上のように、フィルムを装填する際に底部のロールバーをくぐらせてからテイクスプールに巻き付け、蓋を締めてクランクを巻いていけば、自動的に1枚目が出て巻き止まります。
スタートマーク式でも実用的にはまるで無問題ですよ、確かに・・・
でも、裏紙とフィルムの厚みのわずかな違いを感知して巻き止めを行うこのオートマット方式、ドイツ式マイスター気質のロマンを感じるんです。^^

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Rolleiflexの使い良さは、ウェストレベルでフレーミングしながら、絞値とシャッター速度を確認できるところにあります。
ちなみに、2.8Cを選んだもう一つの理由は、ライトバリュー方式ではないので絞値やシャッター速度をそれぞれ独立して設定できる点にあります。
2.8Dや2.8Eだと、ライトバリュー方式で、ロックを外すのが面倒くさいんですよね。^^;

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また、Rolleiflexの使いやすいところは、スポーツファインダーが実用的なことですね。
上の写真の立ち上がった部分に白く四角く見える窓がありますが、これが構図決定用の窓です。

動体を撮るときには、高感度フィルムを仕込んでおき、あらかじめ早いシャッター速度と深い絞りにしておきます。
例えば、どピーカンの日中にEI400のフィルムで撮る際、絞はF11、シャッター速度は1/500にしておきます。
ピントはその下にあるレンズを覗きながら合わせます・・・これができるのはRolleiflexだけですね。
絞れば被写界深度が深くなりますから、目測でもまず問題ないでしょうが、絞れないときには、このフォーカシング構造は助かります♪

なお、本体の裏側に書かれている数字群は、露出の目安です。(詳細は下記のリンク先を見てください。)
いわゆる"Sunny 16"を基にしたものですが、日中の戸外でネガフィルムを使うのであれば、この露出早見表のセッティングで十分綺麗な写真が撮れますね♪
2.8E以降のRolleiflexはセレン式露出計が付いていますが、露出計のない2.8Cでも、この表があれば無問題です♪(って、ヲイ^^;)

いや、実際のところ、ネガフィルムのラチチュードの広さってとんでもないものです。
極端な話、適正露出が1/250秒だったとしても、一段オーバーの1/125秒、一段アンダーの1/500秒で撮っても、十分補正できる範囲です。
特にオーバー側は寛容度が広くて、2段オーバーの1/60秒でもOKです。
つまり、ネガ・フィルム写真なら、戸外での露出はかなりええ加減でも写る・・・ということになります。
1/500秒から1/60秒のどこでもOKというアバウトな撮影でも写るんですから。^^
このフィルムの寛容度があるからこそ、レンズ付フィルム「写るんです」が成り立ったんでしょう・・・あれ、固定焦点、固定絞り、固定シャッター・スピードでしたからね。^^;

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今週の木曜日の午後に到着したので、早速近所に試写に行き、その日の晩に現像してみました。
シャッター速度・絞り値・コマ間・漏光などすべて問題なしでした・・・本日の銀塩フィルム写真ブログで、その最初の写真をアップしております。

評価はまだまだこれからですが、第一印象としては・・・やはり80mm/F2.8、絞開放だとよくボケますね。
小型軽量でボケを活かした写真を撮るための新兵器Rolleiflex 2.8C、人物写真撮影を中心に活躍してくれることを期待しております♪

愛知県みよし市三好ヶ丘にて
Nikon D610
Tamron SP AF 28-75mm/F2.8 (Model A09II)



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こちらがRolleiflex 2.8Cの裏側に書かれている露出早見表です。
この2.8Cは英語圏への輸出モデルだったようで、英語バージョンになっているのでありがたいです。
産直のドイツ語表記だったら、ま~ったく読めませんからねえ。^^;

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いわゆる"Sunny 16"より一段オーバーになっているのは、昔から言われていた格言、「迷ったら保険の一段オーバー」ってことなんでしょうね。
また、ISOは100と50と両方見られるようになってますが、400はない・・・時代を感じさせますね。
by blackfacesheep | 2014-10-25 05:00 | Hardware