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2014年11月30日 チェコから来た「モラヴィアの残照」
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Tully's Cafeでくつろぐ二眼レフ・・・Meopta Flexaret VIであります。

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このFlexaret VI、欧州中部のチェコ共和国からやってきました。
1961-67年に製造されたカメラなので、まだチェコとスロヴァキアが分離する前の国名、Czechoslovakiaの名前が書いてあります。

中山慶太氏の素敵なエッセイ、「東京レトロフォーカス」の中の「モラヴィアの残照、フレクサレット #1~7」に登場するカメラで、中山氏の卓抜な文章に魅惑されてしまい、以前から興味のあった二眼レフなんであります。

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レンズは、Meopta Belar 3.5/80・・・Carl Zeiss Tessarに匹敵すると言われている3群4枚構成のレンズですね。
さて、うしろに見えているもう一台の二眼レフは・・・

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そう、このFlexaret VIの先代モデル、Flexaret Vaであります。
1958-61年にかけて製造された二眼レフですね。
ここのところ二眼レフの魅力にはまっており、Flexaretも欲しくなって、eBayでVaと本命のVIの両張をやっておりました。
Vaには70USD入れておき、いくらなんでもそんな金額では落ちないと思いましたが、競り合うこともなく落札・・・
先日の「写真集団・錆銀」の犬山合宿に間に合ったので、持って行きました・・・試写してみましたが、なかなかよく写りました♪

さて、先日、本命のFlexaret VIも落札し、それがようやくチェコから届いたので試写に行ってきました。
こちらも問題なく、綺麗に写ってくれたように思います。

このMeopta Belar 80mm/F3.5、なかなか魅力的な写りをするレンズです。
ドイツのレンズのように鬼シャープではありませんが、階調はたっぷりしているしボケも柔らかい・・・どこかチャーミングなんです。
またコーティングがプリミティブで、ハイライトがフレアっぽく滲むんですよね、光学的には問題なんでしょうが、それが魅力なんであります♪

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Felxaret VaとFelxaret VI、基本的には同じメカニズムのカメラです。
チェコはかつてナチス・ドイツに占領されていたトラウマのせいか、ドイツのカメラとは異なるメカニズムのカメラを作りたかったようです。
その結果、西側のデファクトスタンダード機のRolleiflexとはまるで違うカメラになっております。
振り子式の距離調節機構や、ボディの右手上側に設置されたシャッターボタン、ねじ込みロックの付いた裏蓋などは、かなりユニークです。
基本的な仕様はVaもVIも共通ですが、こうして比較して見ると・・・かなりイメージが違いますね。

黒いレザレットのVaは典雅なデザインです・・・石畳の中欧の古都に似合いそうなシックな外観ですね。
上下のレンズを連結する部分の意匠もアール・デコっぽく、いかにも「モラヴィアの残照」という優雅な風情が漂っております。
レンズにもバヨネットが切ってないので優しげだし、METAXシャッターもシンプルで美しい佇まいです。
絞羽根も10枚あって、点光源を撮ってもボケがカクカクしません。

プラハの春を主導したリベラルで愛国的なチェコ人が愛用したカメラだったのかもしれません・・・スメタナのモルダウが似合いそうです。
あ、そこ、スメタナはボヘミアだろう、モラヴィアならヤナーチェクだろう、などと突っ込まないように。^^;

かたや、グレーのビニール張りのVIは見るからに安っぽいです・・・"Flexaret"の銘板もVaのようにダイキャスト鋳造ではなく、印刷です。^^;
絞羽根も5枚に減少してしまい、五角形のボケが出ます・・・あ、これはハッセルも同じか。^^;
コストダウンが露骨で、「わし、共産圏の生まれだもんね、親方カマトンカチだもんね、けけけっ♪」って感じのふてぶてしさに満ちております。^^;
LV(ライトバリュー)方式のProntor SVSシャッターのダイヤルもゴツくて、優雅なフレクサレットには似合いません。

このLV方式、1960年代に流行った簡易露出方式で、絞とシャッター速度が連動して一定のLV値を保ってくれます。
素人には便利なものかもしれないんですが、「ここは絞開放、露出オーバー?ジョートーじゃねえか!」と思ったときにLVの解除が面倒なんです。
この融通のきかなさ、いかにも旧共産圏製って感じなんであります。
コイツには・・・やはり赤軍合唱団が歌うソビエト連邦国歌が似合いそうなんであります。^^;

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さて・・・よく似た2台を持っていてもアレなので、1台を手放すことにしました。
出来の良いVaは可愛がってもらえそうなので里子に出し、出来の悪いVIを手元に置いておくことにしました。
Vaが向かったのは仙台・・・新しいオーナーのFilm&Gasolineさんは、私の所属する「写真集団・錆銀」のメンバーです。
彼は中古英国車ディーラーで、古いものをこよなく愛する人です・・・フィルガソさんだったら間違いなく可愛がってもらえるでしょう。^^

さらばFlexaret Va・・・二本しかフィルムは撮ってやれなかったけど、ドイツ玉とは違う柔らかな描写を味あわせてくれたね。
短い間だったけど本当にありがとう・・・仙台で幸せになれよ♪

愛知県豊田市喜多町1-140 "Tully's Coffee" 豊田メグリアセントレ店にて
Olympus Pen mini E-PM2
Lumix G 20mm/F1.7 ASPH



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by blackfacesheep | 2014-11-30 05:00 | Hardware
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