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Black Face Sheep's Photolog

黒顔羊のデジタルフォトギャラリー#1です。光蜥蜴(ヒカリトカゲ=光と影)や錆びたもの・滅びゆくものが大好きです。 自分の魂の目に感光したものは何でも撮ります。


by blackfacesheep

2008年12月18日 名残の紅葉 - Pentax FA77mm/F1.8 Limited Review

2008年12月18日 名残の紅葉 - Pentax FA77mm/F1.8 Limited Review_b0134829_20151179.jpg
Pentax K200D Pentax FA77mm/F1.8 Limited, JPG ISO125、Av優先、-0.3EV、AWB、F5.6, 1/100

FA77mm/F1.8 Limited、絞りを変えると描写がどう変化するか、試してみました。この写真では、F5.6まで絞ってみました。
ドイツのレンズ評価ウェブサイト、PhotozoneでのFA77mm/F1.4 LimitedのMTFグラフを見ると、一番解像力の高いF値です。
レンズ中心部、周辺部ともに"Ex(Excellent)"となっていました。確かに、満遍なくキレの良い描写で気持ちがよいです。^^v


2008年12月18日 名残の紅葉 - Pentax FA77mm/F1.8 Limited Review_b0134829_2013241.jpg左の写真は絞り開放での撮影です。

上記のPhotozoneのMTFグラフを見ると、開放での解像度は、中心部こそ"Very Good"ですが、周辺部は"Fair"ということで、"Good"にすら達していません。

しかし、これがこのレンズのネガになるかどうか・・・。
Photozoneでのコメントに寄れば、「主な用途がポートレートであるため、被写体はほとんどの場合、画面中央に位置することが多く、さほど問題にはならない。」、とのことでした。
なるほどなあ、って感じです。

また、この写真のように、中心部にのみピントを合わせた構図にすれば、ほぼ無問題です。

ボケを活かした写真を撮るのであれば、絞り開放から十分に使い物になるレンズだと思いますし、むしろ開放で使ったときの柔らかい描写は、とても素晴らしいと思います。


2008年12月18日 名残の紅葉 - Pentax FA77mm/F1.8 Limited Review_b0134829_20134771.jpgこちらの写真は、F2.2まで絞ったものです。

MTFグラフにはF2.2の数値がないのですが、絞り開放と比べてあまり変化はないようです。
気持、しゃきっとしているかな・・・?

絞り開放からF2前後までのボケは、柔らかくて不思議なかたちで、微妙にとろけていきます。
アンバランスの魅力と言うか、不良の魅力と言うか。^^
しかし、これがFA77mm/F1.4 Limited特有の「妖しさをたたえたボケ」です。

まじめな中望遠レンズ、Tamron 90mm/F2.8 Macroだと、もっと端正なボケが出ると思います。
と言ってもタムロン90mmマクロは、F2.8開放ですから、このF値は無理なのですが。^^;

FA77mmで「ボケこそ命!」の写真を撮るとき、絞り開放からこのあたりのF値がお勧めのようです。


下記の2枚はF2.8まで絞ったものです。
ボケもそれなりの形にまとまってきますし、描写もしゃっきっとしてきます。MTFグラフを見ても、中心部は"EX"を超え、周辺部でさえ"Very Good"を超えてきます。どうやらこのあたりのF値が、常用するには一番美味しいところなのかもしれません。

2008年12月18日 名残の紅葉 - Pentax FA77mm/F1.8 Limited Review_b0134829_20141779.jpg2008年12月18日 名残の紅葉 - Pentax FA77mm/F1.8 Limited Review_b0134829_20143653.jpg


Pentax FA77mm/F1.8 Limited、確かに評判の良いレンズだけのことはあります。
中望遠らしい甘くてダイナミックなボケ味、絞れば素晴らしい解像力、階調の豊かさ、コンパクトなのに明るい開放値、道具としての魅力に溢れた金属製ボディと素晴らしい工作精度・・・。どこをとってもペンタックスのリミテッド・レンズらしい魅力に溢れています。

また、絞り開放から絞り込んでいっても、解像力は上がっていきますが、あまり描写の印象は変わりません。
どのF値でも一貫性のある描写をするレンズだと思います。

借りて撮影したときには、「これはじゃじゃ馬だなあ・・・」という印象を持ちましたが、今は「なかなか端正な描写をするレンズだなあ・・・」と印象が変わってきました。

まあ、このレンズを買う直前にCarl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZKというお化けレンズを買ってしまったからかもしれません。^^;
あれは本当に凄いレンズです。絞り開放から中間F値、そして絞り込んだときと、ダイナミックに印象が変化し、そのどれをとっても極めて個性豊かで、深い味わいがありました。

その強烈な残像が網膜に焼き付いているので、FA77mm/F1.4 Limitedが端正なレンズに思えるのかもしれません。

名古屋市昭和区八事本町 興正寺にて
Pentax K200D
Pentax FA77mm/F1.8 Limited
by blackfacesheep | 2008-12-18 20:16 | Hardware