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Black Face Sheep's Photolog

黒顔羊のデジタルフォトギャラリー#1です。光蜥蜴(ヒカリトカゲ=光と影)や錆びたもの・滅びゆくものが大好きです。 自分の魂の目に感光したものは何でも撮ります。


by blackfacesheep

2009年12月10日 気分はズミクロン40mm

2009年12月10日 気分はズミクロン40mm_b0134829_20294719.jpgひところ猛威を振るった私のヤフオク右手人差指ポチリ症候群、夏以降は大人しくなり、あたかも寛解したかのように思っていました。
でも、この年の瀬にまたしても発作が出てしまいました。^^;

一眼レフの135判、もっぱら35mmから50mmのレンズで撮ることが多く、それならよりコンパクトなレンジファインダーのカメラの方ならもっと機動性が高くて良いなあ・・・と思っていました。
でも、おライカさまなど買えるはずもないので、国産のコンパクト・カメラを落としました。
ここに写っているのが、その落札したカメラ、Canon New Canonet QL17です。2,000円でした。

このカメラは1970年に発売され、40mm/F1.7という広角気味の明るいレンズが付いているのが魅力です。
1960年代から1970年代初頭にかけては、ファミリーユースのカメラでも、開放F値が2.0以下の明るいレンズを搭載したものが主流でした。

でも、よりコンパクトなサイズの追求のために、ストロボを搭載したより小口径レンズに変わって行き、さらにはズームレンズの搭載により、開放F値はどんどん暗くなって行ってしまいました。
私がかつて所有していたCONTAX TVS、28mm~56mmのズームは便利でしたが、開放F値はF3.5~F5.6と暗く、パンフォーカスな写真しか撮れませんでした。

このニューキャノネットQL17、ファミリーユースのカメラらしく、自動露出です。
その仕組みはシャッター速度優先のEE・・・EEというあたりが時代を感じさせるなあ・・・
AE(Autmatic Exposure=自動露出)ではなく、EE(Electronic Exposure=電子露出)、電子制御にありがたみがあった時代の言葉で、いまや死語ですね。^^

さらに素晴らしいことに、絞環にあるAマークを外すと、フルマニュアル露出カメラとして使えます。
シャッター速度優先ですから、電池がなくてもシャッターが切れる・・・好みの露出に変更するのも自由自在です。


2009年12月10日 気分はズミクロン40mm_b0134829_2030854.jpg
スリー・サイズは、120mm×75mm×60mmと、昨今のコンパクト・フィルムカメラに比べれば大きいですが、充分にコンパクトです。
私のカメラバッグの中で一番コンパクトなBillingham Hadley (S)にぴったりですね。

ちなみに私が持っている一番コンパクトな一眼レフのPentax MXに比べると、高さは似たようなものですが、幅と奥行きがよりコンパクトです。
この先代モデル、Newの付かないCanonet QL17は、一回り大きなサイズで、Pentax MXより大きなサイズのカメラでした。


2009年12月10日 気分はズミクロン40mm_b0134829_20302620.jpgまた、QLという名前の由来は、このユニークなフィルム装填システムにあります。

QLとは、"Quick Loading"の略だと思いますが、誰でも間違いなく、簡単に迅速にフィルムを装填できるシステムなんですね。

裏蓋に描かれているイラストのように、フィルムの先端を所定の位置に置き、後は裏蓋をするだけ・・・
後はこのQLシステムが、自動的にフィルムの先端を巻き込んで行ってくれる仕掛けです。

135判フィルム、パーフォレーションがありますから、ブローニーの120フィルムに比べればかなりフィルム装填は楽なのですが、それでも普段カメラを使わない人にとっては、フィルム装填は悩みの種のようです。

ちゃんと装填したつもりでも、パーフォレーションがかみ合わず、撮影後に裏蓋を空けたときにフィルムが送られずにそこに残っているのを発見・・・

この脱力感、味わったものでなければわかりません。^^

このニューキャノネットQL17、そのコンパクトなサイズとフィルム装填の簡便さで、当時は行列ができるぐらい人気のあるカメラだったそうです。

いつの時代もキヤノンって、売れる商品企画が上手です。^^


2009年12月10日 気分はズミクロン40mm_b0134829_20305496.jpgちなみに、この時代のカメラらしく、速射ケースが付いてきました。

ただ、1970年代のカメラですから、コスト削減で速射ケースの材質は悪くなってましたね~。
ヒンジの部分を除いてプラスチック、それもブロー成型と思われるへなちょこな素材感になってしまいました。
やはり、速射ケースは全て皮で作って欲しかったなあ・・・雰囲気がまるで違います。^^

昨日届きましたので、この速射ケースにQL17を入れて早速試写をしてきました。
光線被りもなければ、フィルム給装のトラブルもなく、実に端正な写真が撮れました。^^v

このカメラで撮った写真は、銀塩写真ブログ、"Silver Oblivion"にアップしておきました。

40mmレンズって、使いやすいですね。
50mmよりは広角なのでスナップしやすいですし、35mmよりは望遠なのでボケを活かした写真も撮りやすい・・・

しかも開放F値は1.7と明るいですから、いまどきのコンパクトフィルムカメラには写せない写真が撮れました。

レンジファインダーで40mmレンズと言うと、ライカCLのズミクロン40mm/F2.0を思い出します。

値段ははるかに安いニューキャノネットQL17ですが、気分だけはズミクロン40mmを使っている気分にさせてくれるカメラですね。


愛知県西加茂郡三好町三好ヶ丘にて
Pentax K200D
Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZK
by blackfacesheep | 2009-12-10 21:16 | Hardware