2010年8月20日 古き港町にて
2010年 08月 20日
フラットフォードを後にして、ストウ川(River Stour)の広大な汽水域を左手に見ながら、ハリッジ(Harwich)の港に向かいました。
このハリッジは古くから北海に面する港として栄え、かつては英国を代表する軍港のひとつだったそうです。
今は軍港としての働きはなく、もっぱらヨーロッパに渡るフェリーターミナルとして栄えているようです。
このハリッジからオランダのフック・ヴァン・ホランド(Hoek van Holland)まではフェリーが出ており、夜11時半の便に乗ると翌朝7時ぐらいにオランダに到着します。
宿代も浮くし、船旅も面白いかな~と思って検討はしてみたのですが、船旅は疲れるのと、治安が今ひとつよくないようだったので諦めました・・・もう少し若かったらやってただろうな、きっと。^^;
左はハリッジ名物の埠頭、"The Ha’penny Pier"で、対岸に見えるのはFelixstoweの港です。
かつて対岸へのフェリー料金がHalf Pennyだったことから名づけられた波止場ですが、今でも下のようなビクトリアンなチケット売り場が残っています。
この波止場、実に絵になる場所で、Pentax MXでフィルムでも撮ってます。
英国は古いものが大切に保存されている国で、上のようなArthur Ransomeの小説に出てくるようなガフ・リグのスクーナーが係留されている風景は実に見応えがあります。
また、下は19世紀中ごろに作られた古いホテル、"The Pier At Harwich"で、"The Ha’penny Pier"に面して建っています。
こういうホテルのバーで港を眺めながら、ビールでも飲んでひねもすのたり・・・いいかもしれないですね~♪
下は現存する英国最古の映画館、"Electric Palace Cinema"で、いまだに封切館として営業中です。
赤いドアの上の表示を見ると、"Admission One Shilling"という表記が見えますので、かつての入場料は1シリングだったことがわかります。
シリング、今は廃止された貨幣単位ですが、かつての英国では、「1ポンド = 20シリング、1シリング = 12ペンス」という実にややこしい貨幣体系を採用していました。
1971年に現行の10進法に切り替えられましたが、かつての旅行者は随分と面食らったんじゃないでしょうか~。
上は1876年に作られたライフ・ボート・ミュージアムで、ヴィクトリアン朝の人命救助船がど~んと展示されており、古い船舶の好きな私にはとても楽しめる展示内容となっていました。
下は、ハリッジの東側、北海の浜辺ですが、実に荒涼とした風景・・・真冬に来たらフォトジェニックでしょうね~♪
この浜辺を南に歩いていくと、この1818年に建てたれた灯台、"The Low Lighthouse"に至ります。
ここは現在、海事博物館"Maritime Museum"となっていました。
こちらの灯台は"The High Lighthouse"、確かに先の"The Low Lighthouse"よりは高いです。^^
ハリッジの鉄道駅の一つ、"Harwich Town Railway Station"です。
現在のハリッジの中心地は一つ手前の"Dovercourt"に移動してしまったせいか、乗降客も少ない寂しい駅でした。
下の写真のビクトリアンな外観の駅舎とピンク色の水飲み場が、かつて避暑地として栄えた歴史を物語っていました。