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Black Face Sheep's Photolog

黒顔羊のデジタルフォトギャラリー#1です。光蜥蜴(ヒカリトカゲ=光と影)や錆びたもの・滅びゆくものが大好きです。 自分の魂の目に感光したものは何でも撮ります。


by blackfacesheep

2011年6月22日 小さなカメラの誘惑 - Olympus XA

2011年6月22日 小さなカメラの誘惑 - Olympus XA_b0134829_205574.jpgまだ梅雨明けしていないと言うのに、突然の蒸し暑さ・・・

6月下旬ですから、当たり前と言えば当たり前なんですが、こういう体力を消耗する季節になってくると、さすがの私も中判カメラなどと言う野蛮なものは持ち歩きたくなくなります。

夏はやっぱり小型軽量なカメラが一番いい・・・
そんなわけで、右手人差し指ポチリ症候群が再発し、可愛らしいカメラを落札しました。

このカメラはオリンパスが1979年に開発した小型カメラ、"Olympus XA"です。
101mm×64mm×38mmという煙草の箱ぐらいのコンパクトなカメラなのに、ハーフ版ではなくフルサイズの135判カメラです。

レンズは35mm/F2.8という使いやすい焦点距離で明るいレンズが搭載されており、露出は絞優先AE、さらに連動距離計まで装備した実に通好みのカメラです。

小さな135判と言うと、すでにNew Canonet QL17を持っているんですが、あれは全金属性カメラですから、もう二回りりほど大きく重量が620グラムもあります。

このXAはプラスチック樹脂外装ですし、レンズもQL17の40mm/F1.7ほど明るくないので、たった225グラムと言う軽量級です。

またケースが要らないカプセル・フォルムと言うのもユニークで、普段はこのようにレンズ部分が完全にバリアで隠されています。

このバリアをスライドさせると電源が入り、下の写真のようにレンズが顔を出すと言う仕掛けになっているんですね。



2011年6月22日 小さなカメラの誘惑 - Olympus XA_b0134829_20552241.jpg



2011年6月22日 小さなカメラの誘惑 - Olympus XA_b0134829_20554086.jpg露出は任意に絞りが選べる「絞優先AE」ですが、メモリー・ロックなどはついていませんし、露出補正も付いていない・・・じゃあどうするのか?

この時代のカメラはまだDXコードが普及する前のモデルなので、フィルム感度の設定は手動なんですね。
なので、プラス補正しようと思えばフィルム感度を下げれば良いですし、マイナス補正しようと思えば、フィルム感度を上げるということで露出補正が可能になります。

例えばISO100のフィルムを使っていて、AEの判定より一段オーバーにしたければISO50にすれば良いし、一段アンダーにしたければISO200にすればよいってことです。
しかも刻みは1/3段ずつありますから、やる気になればきめ細かく補正することも可能です。

ちなみに、XAのフィルム感度設定はISOではなく、なつかしのASAと書いてありますけどね。^^;

逆光で補正が必要な場合は、いちいちフィルム感度ダイヤルを設定しなくてもいいように、特別のしかけが工夫されています。
カメラの下に付いているレバーを一段引き出してやると、逆光補正のために1.5EVプラス側に補正するんですね、実に賢いアイデアです。^^

またこのレバーは多機能になっており、もう一段引き出してやると、バッテリー・チェックができるようになっており、バッテリーが十分に入っていると「ちー」と可愛い音で鳴いてくれます。

さらにもう一段引き出すと、セルフ・タイマーになります。90度飛び出しますから、平らなものの上に置けば安定がよくなるという優れものです。



2011年6月22日 小さなカメラの誘惑 - Olympus XA_b0134829_20555683.jpgXAの上部に赤い平らな樹脂部品が見えますが、これがシャッターです。

大事な場所だから目立つように赤くしてあると言うのは、人間工学的にも意味がありますね。
この時代のカメラには流行ったデザインらしく、ドイツのAgfa Optimaにも赤く大きなシャッターボタンが付いていました。

ただ、このシャッター、無闇に軽すぎます・・・
フェザー・タッチと言えば聞こえが良いですが、下手に触るとすぐにシャッターが落ちるぐらいに過敏です。^^;

これを防ぐためには、指をそぉ~っと乗せてスタンバイし、シャッターを切るときはそこからほんのちょっと力を込めて「ク!」と押さなければなりません。
そのくせ押す場所によっては全く反応しなかったりする結構なじゃじゃ馬シャッターでもあります。

私の手元にやってきたOlympus XA、レンズも外観も綺麗であまり使いこまれていない感じでしたが、劣化すると言われているCds露出計のために、1段半~2段程度露出がオーバーになっていました。
安価なLR44で試したのがまずかったかと思って酸化銀電池のSR44に変えてみましたが、同じ傾向です。

ISO400のフィルムを入れて試写してみましたが、ASA400の設定だとかなり露出オーバーになってしまいました。

でも、ネガフィルムで使うなら全く問題ありませんね。
ネガのラチチュードは鬼のように広いので、2段オーバーでも十分レタッチできてしまいました。^^v

これからの蒸し暑い季節のフィルム写真、軽量級のOlympus XAが大活躍してくれそうです。



名古屋市東区東桜 "Tiger Cafe" 東桜店にて
Pentax K-5
Tamron SP AF 17-50mm/F2.8 (Model A16)
by blackfacesheep | 2011-06-22 21:47 | Hardware