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Black Face Sheep's Photolog

黒顔羊のデジタルフォトギャラリー#1です。光蜥蜴(ヒカリトカゲ=光と影)や錆びたもの・滅びゆくものが大好きです。 自分の魂の目に感光したものは何でも撮ります。


by blackfacesheep

2012年11月14日 年老いた橋

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秋の午後の鈍い日差しを受け、雑草の生い茂る砂利道・・・でも、この砂利道、普通の道路ではないんですね。

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ご覧のように橋なんであります。
ここは愛知県の山間部、設楽町の寒狭川にかかる市代橋です・・・橋脚はコンクリなのに、路面は上の写真のようにダートになっています。

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市代橋の上から見た寒狭川の下流方面です・・・やがて豊川と名前を変えて、三河湾に注ぐ大河になりますね。
ご覧のように欄干がほとんどなくなっていて、危険この上もありません。

2012年11月14日 年老いた橋_b0134829_1022768.jpg

元はちゃんと欄干や手すりはついていたんでしょうが、どうやら戦時中の金属供出で失われてしまったようです。
三河の山奥にも、戦争の犠牲になった遺物が残っていたんですね。

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欄干から無理矢理もぎりとったような無残な破壊の痕が痛ましいです・・・

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橋についていた銘板によれば、昭和7年7月竣工の橋だそうです・・・つまり今年で80歳です。
この80年間、様々な人々の人生、出会いや別れを見守り続けてきた橋なんでしょうね。
いつまで橋として機能し続けられるかわかりませんが、一日でも長くこの場所にあって欲しいと思わずにはいられませんでした。

例によってBGMです・・・この情景に似合うのは、Enyaの"If I Could Be Where You Are"かな。



この曲のタイトル、意訳すると、「あなたがいるところに私もいられたら・・・」と言う感じです。
内容は二度と会えない離別の悲しみ・・・単なる失恋と言うよりもっと深い悲しみ、例えば最愛の人に先立たれた悲しみを感じさせる歌詞です。
"Is there a road I could follow, to bring you back home to me"
「あなたをうちに連れ帰るために、私が辿ることのできる道って・・・はたしてあるんだろうか・・・」という歌詞が切ないです。

エンヤを含めケルトな音って、「老いていくもの、去っていくもの」に相性が良いような気がします。
まあ言ってしまえばド・レ・ミ・ソ・ラという5つの音で構成されたペンタトニック・スケールなんですが、洗練されず泥臭くはあっても、どこか抵抗しがたく郷愁を誘うものがあるような気がします。

愛知県北設楽郡設楽町市代 市代橋にて
Pentax K-5
Tamron AF 18-200mm/F3.5-6.3 (Model A14)
by blackfacesheep | 2012-11-14 17:00 | Japanese Landscapes