2014年6月26日 哀愁のモルタル郵便局
2014年 06月 26日
先日豊田市の松平郷に出かけた際に、ちょっと足を東に伸ばして大沼町にある旧下山郵便局を訪問して来ました。
大沼町の“銀座通り”である東大沼の三叉路に位置し、昭和六年(1931年)に建設され、昭和四十七年(1972年)まで下山郵便局として使用されていた由緒ある建築物です。
基本的には木造平屋建ですが、道路面は間口4.5間,奥行1.5間をモルタル塗りの洋風2階建てとなっています。
建物正面の意匠はモルタルに横方向の目地を入れ、等間隔に配置した柱によって一見石造りふうの重厚感を感じさせます。
なお、新しい郵便局は一軒置いた西隣に立っていますが、ごく普通の郵便局です。
パチモンと言ってしまえば確かにその通りかもしれませんが、長年風雪にさらされたモルタルって意外に味わいがあって好きなんですね。
奥三河の古い小学校の二宮金次郎像は、このモルタル造りが多いし、木造校舎の瓦もセメント瓦が多いです。
石像や焼瓦に比べると多孔質ゆえに風化しやすく、寿命が短いです・・・雑草や蔦などが生えることも多いようです。
でも、そのはかなさが余計に哀愁を感じるゆえんなのかもしれません。
この地域はかつて愛知県東加茂郡下山村でしたが、2005年4月1日に西加茂郡藤岡町・西加茂郡小原村・東加茂郡足助町・東加茂郡旭町・東加茂郡稲武町と共に豊田市へ編入されました。
東加茂郡はこれで消滅し、西加茂郡も私の住むみよし市が2010年に市政を敷いたことにより消滅し、1000年以上続いた加茂郡の歴史に幕を閉じました。
私ぐらいの年代だと、豊田市に小原、旭、足助、稲武、下山が含まれると言うのは、とても違和感があります。
でも、三河山間部の過疎化の波は避けがたいことなのしょうね・・・寂しいです・・・。
愛知県豊田市大沼町八沢 旧下山郵便局
Nikon D610
Tamron SP AF 28-75mm/F2.8 (Model A09II)